傷病手当金をもらうための条件・もらえる期間、退職後も継続して受給する為のポイントを社会保険労務士がわかりやすく解説しました。

在職中も受給、退職後も受給するケース

在職中も受給、退職後も受給するケース

退職後の最初の傷病手当金申請手続き

退職日を含んだ期間で必ず申請すること!!

退職日は欠勤又は有給休暇若しくは公休日とすること。 休職のまま退職でもOK。

  • 退職日に出勤してしまうと、「レッドカード一発アウト」で、退職後の傷病手当金はもらえません!
  • 在職最後の4日間(公休日、有給休暇を含んでOK)は、出勤しないことです。
    =在職最後の4日間が「労務不能」であることが条件です。
    例: ギギリセーフのケースです。このケースは、なるべく避けて下さい。
    ギリギリセーフのケース

  • 在職最後の期間が下の図のように出勤日が含まれるケースは、手続きが面倒になるケースが有るので、避けて下さい。
    途中出勤は避けて下さい。


    会社在籍期間(退職日を含んだ期間)から申請します。
    以下の2通りのケースに分かれます。

    在職中から継続して傷病手当金を受給していて、そのまま退職したケース
    傷病手当金を受給⇒出勤と欠勤(傷病手当金受給又は有給休暇)を繰り返す。⇒欠勤又は有給休暇⇒退職

在職期間中に一度でも傷病手当金をもらった人は、既に傷病手当金の受給権を取得しています。したがって、退職日を含んだ期間で退職後の傷病手当金を申請します。
 なぜかというと、退職後の傷病手当金というのは、退職日に「労務不能であること」が絶対条件だからです。要するに、退職日に出勤してしまうと、「退職日は労務可能」と判断され、退職後の傷病手当金はもらえなくなってしまうのです。
在職期間分の傷病手当金を退職後に申請することは可能です(時効は2年ですので問題ありません。健康保険法第193条1項)。しかし、実際には、かなり前の期間(例えば1年以上前)については医師が「労務不能」の証明を傷病手当金支給申請書に記入してくれないケースがありますので、御注意ください。
在職最後の期間分については、在職中に申請する必要はありません。というか、在職最後の期間については、退職後に申請するしか方法がありません。ただし、退職してから長期間経過してしまうと、医師が「労務不能」の証明を書いてくれない可能性が有りますので、退職日から3ヶ月を経過する頃までには「在職最後の期間分」・「退職後最初の期間分」についての傷病手当金申請をしておくことをおすすめします。

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  • 退職日までの期間で労務不能により、欠勤している期間(又は有給休暇期間)が含まれている場合には、会社を経由して在職中に自分の加入していた保険者(健康保険協会又は健康保険組合)に「傷病手当金支給申請書(傷病手当金請求書)」を提出します。※郵送でもOK.
  • 段取りとしては、
  • まず、会社(又は健康保険協会・健康保険組合)から「傷病手当金支給申請書」をもらう。又はパソコンからダウンロードする。
  • 病院で医師に「療養担当者が意見を記入するところ」の欄を記入してもらう。
  • 申請者本人記入欄に記入する。
  • 会社に提出(郵送)し、会社記入欄に記入してもらい、あとは会社の担当者に手続きをしてもらいます。


  • 「傷病手当金支給申請書」は健康保険協会の場合、パソコンからダウンロードできますし、記入例もダウンロードできるので便利です。健康保険組合の場合も、組合によってはパソコンからダウンロードできるケースがあります。
  • 退職後の最初の傷病手当金申請で、会社に在籍している期間が含まれている場合には、①「賃金台帳(コピーで可)又は給与明細(コピーで可)」、②「出勤簿(コピーで可)又はタイムカード(コピーで可)が必要となります。
    • 在職中は全国健康保険協会に加入していた場合、在職期間分の申請について 「出勤簿のコピー」・「賃金台帳のコピー」は添付不要です。
  • ※傷病手当金申請手続きには、原則として、医師の診断書は不要です。

会社在籍期間と退職後の期間の両方が含まれている場合

「傷病手当金支給申請書」を1枚ですませる方法

  • 「”在職最後期間分"と"退職直後期間分"を分けて申請して下さい」という健康保険組合もあるので、その場合は、この方法は出来ません。全国健康保険協会の場合は、この方法ができます。
  • 会社在籍期間の分についての事業主(会社)の証明が必要です。
    • 「傷病手当金支給申請書(傷病手当金請求書)」の「事業主が証明するところ」の欄に会社担当者が記入し、会社代表者印を押します。①「賃金台帳」(コピーでOK)又は給与を証明する書面(コピーでOK)と②出勤簿(コピーでOK)又はタイムカード(コピーでOK)を添付します。
    • 在職中は全国健康保険協会に加入していた場合、在職期間分の申請について 「出勤簿のコピー(タイムカードのコピー)」・「賃金台帳のコピー(給与明細のコピー)」は添付不要です。
  • 退職後の期間分については、「事業主が証明するところ」の欄は記入不要です。
    • 出勤簿や賃金台帳も不要です。既に退職しているのですから当然ですね。
  • 例:「10月11日~11月30日」:⇒この期間分がすべて「労務不能」であり、退職日が10月31日、給与の締日が毎月末日とします。
    • 「10月11日~10月31日」:在職期間分の申請
      ※この期間がすべて欠勤無給でも、すべて有給休暇でも申請します。
      • 上記の期間(「10月11日~10月31日」)を含む給与計算期間(「10月1日~10月31日」)についての事業主の証明+賃金台帳(「10月1日~10月31日」)のコピー・出勤簿(「10月1日~10月31日」)のコピー等の書類が必要
      • 在職中は全国健康保険協会に加入していた場合、在職期間分の申請について 「出勤簿のコピー」・「賃金台帳のコピー」は添付不要です。
    • 「11月 1日~11月30日」:退職後期間分の申請
      • 事業主の証明は不要+賃金台帳・出勤簿等の書類も不要です。既に退職しているのですから当然ですね。

賃金台帳・出勤簿等につきましては、コピーでOKです。

  • 在職中は全国健康保険協会に加入していた場合、在職期間分の申請について 「出勤簿のコピー」・「賃金台帳のコピー」は添付不要です。


「傷病手当金支給申請書」を「在職期間分」と「退職後期間分」の2枚に分ける方法};



「10月11日~11月30日」:⇒この期間分がすべて「労務不能」であり、退職日が10月31日、給与の締日が毎月末日とします。

例;「10月11日~10月31日」:在職期間分で1枚 +
   「11月 1日~11月30日」:退職後期間分で1枚
   

  • 「10月11日~10月31日」:在職期間分で「傷病手当金支給申請書(傷病手当金請求書)」⇒1枚
    ※この期間がすべて欠勤無給でも、すべて有給休暇でも以下の通りにします。
    • 上記の期間(「10月11日~10月31日」)を含む給与計算期間(「10月1日~10月31日」)についての事業主の証明+賃金台帳のコピー(「10月1日~10月31日」)・出勤簿のコピー(「10月1日~10月31日」)等の書類が必要。
    • 在職中は全国健康保険協会に加入していた場合、在職期間分の申請について 「出勤簿のコピー」・「賃金台帳のコピー」は添付不要です。
  • 「11月1日~11月30日」:退職後期間分で「傷病手当金支給申請書(傷病手当金請求書)」⇒1枚
    • 退職後期間分については、「事業主が証明するところ」の欄は記入不要です。
      • 出勤簿や賃金台帳も不要です。既に退職しているのですから当然ですね。

賃金台帳・出勤簿等につきましては、コピーでOKです。

  • 在職中は全国健康保険協会に加入していた場合、在職期間分の申請について 「出勤簿のコピー」・「賃金台帳のコピー」は添付不要です。


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