傷病手当金をもらうための条件・もらえる期間、退職後も継続して受給する為のポイントを社会保険労務士がわかりやすく解説しました。

退職後の傷病手当金手続き

☆退職後の傷病手当金申請手続き

①退職日に労務不能であること。

  • これが絶対条件です。
    • 退職後も傷病手当金を継続して受給できる例
      退職後も傷病手当金を継続して受給できる例
    • 退職後も傷病手当金を継続して受給できる例
      退職後も傷病手当金が継続してもらえる例

    • 退職後は傷病手当金がもらえない例
      退職日に出勤⇒退職後は傷病手当金NO

②退職日の前日までに連続3日以上の労務不能期間があること。

「労務不能期間」は土・日・祝祭日等の公休日でも有給休暇でもOK

退職直前で受給権取得の例

労務不能の例

③退職日まで健康保険に継続して1年以上の被保険者期間があること。

たとえ1日のブランクがあってもダメです。

  • 退職後も傷病手当金を継続して受給するためには、退職日まで継続して1年以上の被保険者期間が必要ですが、たとえ1日のブランクがあってもダメです。被保険者期間は最低1年間続いている必要があります。

会社が違っても1年間継続して被保険者であれば、OK.

  • 以下の例の場合、継続して1年以上の被保険者期間ということができます。
    例:平成25年 3月19日~平成25年10月31日まで 株式会社A食品
      平成25年11月 1日~平成26年 3月18日まで 株式会社B工業
  • 以下の例の場合は継続して1年以上被保険者ということにはなりません。
    例:平成25年 3月19日~平成25年10月31日まで 株式会社A食品
      平成25年11月 2日~平成26年 3月18日まで 株式会社B工業
    • 平成25年11月 1日が空白=ブランクです。

保険者は違っていてもOKです。

  • ただし、共済組合、任意継続被保険者、国民健康保険の加入期間は含みません。=カウントしません。
  • 健康保険協会加入期間と健康保険組合加入期間は通算できます。
    • 保険者違ってもOKの例。
      平成25年 4月12日~平成25年11月20日(株式会社C商事 健康保険組合)
      平成25年11月21日~平成26年 4月11日まで(株式会社D運送 全国健康保険協会)

④退職日に傷病手当金をもらえる状態にあること。

  • 具体的には以下の4つの例が該当します。

①退職日まで傷病手当金をもらっている。

  • 退職日に労働不能であること。
    • 退職後も労働不能であり、傷病手当金支給日~1年6ヶ月以内であれば退職後も傷病手当金をもらえます。

②退職日まで傷病手当金以上の給与が支給されていた。

  • 退職日までに待期期間は経過し、傷病手当金をもらえる態勢はできていたが、退職日まで会社から傷病手当金以上の給与をもらっていたために、傷病手当金がストップしていた。
    • この場合、傷病手当金が全額ストップしていた期間は傷病手当金支給期間としてカウントしません。なぜなら、傷病手当金の支給期間は支給を開始した日からカウントするからです。下の図を参照してください。
    • 会社に感謝のケースですね。
      退職日まで傷病手当金がストップしていた場合の支給期間
      • ただし、このケースでは申請方法に多少の工夫が必要となります。退職後に退職期間分だけを申請しても、退職後の傷病手当金はもらえません。
      • 上記のケースだと、退職日以前に既に傷病手当金の受給権を得ていることを証明する申請方法をとらないと、退職後の傷病手当金はもらえません。

③退職日に出産手当金をもらっていた。=女性のみが対象

  • 退職日までに待期期間は経過し、傷病手当金をもらっていたが、今度は出産日以前42日間の期間に入ったので、出産手当金をもらうことにした。しかし、出産前12日で雇用契約が終了するので、退職せざるを得なくなり、退職し、出産後56日が経過するまでは出産手当金をもらった。出産後57日~は傷病手当金をもらった。
    出産手当金と重複してしまった場合
    • 傷病手当金の権利と出産手当金の権利が重複して発生してしまった場合、出産手当金が優先して支給されます。出産手当金が支給されている間は傷病手当金はストップします。両方一緒にはもらえません。
    • もし、万が一、出産手当金のかわりに傷病手当金が支給されてしまった場合は、出産手当金が支給されたとみなします。というか、出産手当金も傷病手当金も金額は同じです。名目がかわるだけです。

④欠勤以後、在職中は有給休暇をとっていた。

  • 欠勤以後、退職日まで年次有給休暇の残っている分を消化していたために、会社から賃金をもらっていた。結果、傷病手当金を申請しなかった。

⑤傷病手当金をもらいはじめてから1年6ヶ月以下である。

  • 傷病手当金は、支給の日から1年6ヶ月が限度です。
  • 1年6ヶ月というのは、療養を開始した日~1年6ヶ月ではありません。労働不能(労務不能)により実際に傷病手当金をもらいはじめてから1年6ヶ月がMAX.です。
    • 退職日まで有給休暇をとっていた場合や、退職日まで賃金が支払われていた場合には、退職日の翌日~1年6ヶ月が傷病手当金のもらえる期間です。


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☆退職後の最初の傷病手当金申請手続き

会社に在籍している期間が含まれている場合

会社在籍期間(退職日を含んだ期間)から申請します。
以下の2通りのケースに分かれます。

在職中は会社から給与・手当等が支払われていたために傷病手当金を申請していなかったケース
傷病を患って会社を欠勤(無給)してから退職日までの期間が短いケース

 退職日までの在職期間分を1回も申請していない場合には、上記の2ケースのいずれの場合にも、在職最後の期間分を「第1回目」として申請することが必要となります。在職期間分について1度も傷病手当金を申請していない人が、退職後に退職後期間分のみを申請しても傷病手当金はもらえません。
 在職最後の期間分を退職後に申請することは可能です(問題ありません)。
 在職最後の期間分については、在職中に申請する必要はありません。というか、在職最後の期間については、退職後に申請するしか方法がありません。ただし、退職してから長期間経過してしまうと、医師が「労務不能」の証明を書いてくれませんので、退職日から3ヶ月を経過する頃までには「第1回目」の傷病手当金申請をしておくことをおすすめします。

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  • 退職日までの期間で労務不能により、欠勤している期間が含まれている場合には、会社を経由して健康保険協会又は健康保険組合に「傷病手当金支給申請書」を提出します。※郵送でもOK.
  • 会社から「傷病手当金支給申請書」をもらい、病院で医師に「療養担当者が意見を書くところ」の欄を記入してもらいます。その他の記入欄で申請者本人が記入すべきところを書いて、会社に提出(郵送)し、あとは会社の担当者に手続きをしてもらいます。
    • 「傷病手当金支給申請書」は健康保険協会の場合、パソコンからダウンロードできますし、記入例もダウンロードできるので便利です。健康保険組合の場合も、組合によってはパソコンからダウンロードできるケースがあります。
    • 退職後の最初の傷病手当金申請で、会社に在籍している期間が含まれている場合には、①「賃金台帳(コピーで可)又は給与明細(コピーで可)」、②「出勤簿(コピーで可)又はタイムカード(コピーで可)が必要となります
      • 退職日まですべて有給休暇のために傷病手当金を申請せずに、退職後に初めて傷病手当金を申請する場合にも、退職日以前2ヶ月間分(できれば3ヶ月間分)の①「賃金台帳(コピーで可)又は給与明細(コピーで可)」、②「出勤簿(コピーで可)又はタイムカード(コピーで可)が必要となります。
    • 「傷病手当金支給申請書」の「療養担当者が意見を書くところ」に記入せずに、医師の「診断書」をもらってもOKですが、医師の診断書を書いてもらうには数千円の費用がかかるということですので、「傷病手当金支給申請書」に記入してもらう方が安くすみます。
      • 「医師の診断書では不可であり、傷病手当金申請書の医師が記入するところに担当医師により記入してください」という健康保険組合もあります。傷病手当金申請書の医師に記入してもらう欄に記入してもらう方が無難です。

会社在籍期間と退職後の期間の両方が含まれている場合

「傷病手当金支給申請書」を1枚ですませる方法

  • 会社在籍期間の分についての事業主(会社)の証明が必要です。
    • 「傷病手当金支給申請書」の「事業主が証明するところ」の欄に会社担当者が記入し、会社代表社印を押します。①「賃金台帳」(コピーでOK)又は給与を証明する書面(コピーでOK)と②出勤簿(コピーでOK)又はタイムカード(コピーでOK)を添付します。
  • 退職後の期間分については、「事業主が証明するところ」の欄は記入不要です。
    • 出勤簿や賃金台帳も不要です。既に退職しているのですから当然ですね。
  • 例:「10月11日~11月30日」:⇒この期間分の申請については以下の通りとなります。退職日は10月31日、給与の締日が毎月末日とします。
    • 「 9月 1日~ 9月30日」:在職期間分申請分の1ヶ月前分
      • 上記の期間分についての賃金台帳・出勤簿等の書類が必要
    • 「10月11日~10月31日」:在職期間分の申請
      ※この期間がすべて欠勤無給の場合でも、すべて有給休暇の場合でも
      • 上記の期間分についての事業主の証明+賃金台帳・出勤簿等の書類が必要
    • 「11月 1日~11月30日」:退職後期間分の申請
      • 事業主の証明は不要+賃金台帳・出勤簿等の書類も不要です。既に退職しているのですから当然ですね。

「傷病手当金支給申請書」を「在職期間分」と「退職後期間分」の2枚に分ける方法
例;「10月11日~10月31日」:在職期間分で1枚 +
   「11月 1日~11月30日」:退職後期間分で1枚
   ※退職日は10月31日、給与の締日が毎月末日とします。

  • 「 9月 1日~ 9月30日」:在職期間申請分の1ヶ月前分
    • 上記の期間分についての賃金台帳・出勤簿等の書類が必要
  • 「10月11日~10月31日」:在職期間分で「傷病手当金支給申請書」⇒1枚
    ※この期間がすべて欠勤無給の場合でも、すべて有給休暇の場合でも以下の通りにします。
    • 会社在籍期間分についての事業主(会社)の証明が必要です。
      • 「傷病手当金支給申請書」の「事業主が証明するところ」の欄に会社担当者が記入し、会社代表者印を押します。①「賃金台帳」(コピーでOK)又は給与を証明する書面(コピーでOK)と②出勤簿(コピーでOK)又はタイムカード(コピーでOK)を添付します。
  • 「11月1日~11月30日」:退職後期間分で「傷病手当金支給申請書」⇒1枚
    • 退職後期間分については、「事業主が証明するところ」の欄は記入不要です。
      • 出勤簿や賃金台帳も不要です。既に退職しているのですから当然ですね。

会社に在籍している期間が含まれていない場合

  • 会社在籍期間分については退職日までの期間分についてすべて申請が終了しているケースです。
  • 一般的には退職後ある程度の期間が経過してから(退職後1ヶ月~退職後3ヶ月位)退職後期間分のみを申請するケースです。
  • このケースについては、会社を通す必要はありません。会社とはもう関係ありませんので、自分で申請します。
    • 当然、「事業主の証明欄」への記入は不要です。会社の代表者印も不要です。


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